「ダモイ」を観劇して


 7月7日県民会館において上記の公演がありました。青少年健全育成の一貫として広く高校生にも観てもらおうと、松江3クラブも資金援助をいたしました。

 隠岐出身の山本幡男さんは終戦後シベリアに抑留され、想像を絶する極限の状況の中でダモイ(帰国)を信じながらも、祖国の山河を見ることなくハバロフスクの土となりました。

 癌で亡くなる1ヶ月半前に一晩で書き上げた4500字にも及ぶ遺書を、収容所の仲間が分担して丸暗記し、帰国後に奥さんの下に届けたと言う実話に基づいたものでした。

 遺書が届けられた方法も空前絶後でしたが、仲間をそうした気持ちに駆りたてた山本幡男という人物の凄さに感嘆しました。

 戦争の愚かさ悲惨さ、平和の尊さを痛感し、涙なくしては観れませんでした。

 松江中学の同期の方々等が実行委員会を結成しての上演でした。出演者が3人だけの劇でしたが、やはりプロで、あっという間の1時間半でした。


○原作/辺見じゅん著「収容所から来た遺書」
○作・演出/ふたくち つよし 
○出演/平田 満、新納敏正、荒谷清水
○第21回大宅壮一ノンフィクション賞受賞 第11回講談社ノンフィクション賞受賞


【INTRODUCTION】

 終戦から60年という月日が流れても、今尚、戦争の文字が日常から消えることはない。この不透明な時代に、戦禍が引き起こした悲劇をテーマに、あらゆる表現を通じて反戦の運動が繰り返されてきた。演劇も然り。

 この作品の原作は数々のノンフィクション対照を受賞した辺見じゅん著『収容所から来た遺書』である。

 第二次大戦後、シベリアに抑留された男たちの物語。敗戦から12年目に遺族が手にした6通の遺書。ソ連軍に捕われ、極寒と飢餓と重労働のシベリア抑留中に死んだ山本幡男氏(隠岐島西ノ島町出身)のその遺書は、彼を慕う仲間たちの驚くべき方法により厳しいソ連監視網をかいくぐったものだった。悪名高き強制収容に屈しなかった男たちの、したたかな知性と人間性を発掘した辺見じゅん珠玉の書に、平田満らが挑む。声高に戦争の罪などを問うわけでもなく、ただ真摯に生きる人間の姿を淡々と描くこの書の中に、これからの生きるヒントがいくつも隠されている。